金利 interest on savings deposit 2003 7 15
今日の朝刊には、定期預金の金利の話がありました。
金利をめぐる議論は、たくさんありますが、
日本においては、普遍の真理というか、揺るぎない事実があります。
それは、ゼロ金利もしくは超低金利は、
国民の資産形成を阻害しているという事実です。
場合によっては、ゼロ金利は、国民の資産を奪う政策でもあります。
これだけは、揺るぎない事実です。
日本においては、一般家庭における株式保有率が低いので、
株高になっても、直接には、一般家庭の資産が増えることにはなりません。
この辺が外国と違うのです。
外国によっては、一般家庭における株式保有率が比較的高いので、
株高が、一般家庭の資産を増やす国もあります。
しかし、多くの日本人の資産とは、貯金です。
貯金が、今でも、日本人の富なのです。
今後、どんな政策を立案するにしても、この事実を忘れてはいけません。
国民の資産形成を妨げているということを念頭に、
政策議論をしなければならない。
今から、20年近く前になるでしょうか。
あの当時は、長めの定期預金の金利は、5%ぐらいあったのです。
ですから、100万円を貯金すれば、5万円の利子がついたのです。
今では、100万円を貯金しても、利子は、千円ぐらいでしょうか。
あの当時の利子に比べれば、今の利子は、50分の1になったのです。
しかし、あの当時は、それほどの高金利でも、不景気ではありませんでした。
今と比べれば、設備投資も活発でした。
もちろん、住宅ローンを借りてマイホームを建てるのも、活発でした。
5%という高金利でも、経済は、比較的、活発だったのです。
さて、現代。
あの当時と比較して、何のために、ゼロ金利政策を取っているのか。
誰のために、ゼロ金利政策を維持しているのか。
少なくとも、国民のためではない。
上記のように、ゼロ金利政策は、国民の資産形成を妨げるのです。
いや、公共料金の値上げや増税を考えると、
ゼロ金利政策は、国民の富を奪っているのです。
国民をいつまで犠牲にして、いつまでゼロ金利政策を取るのか。
これは、国政選挙の重要な論点になるほど、重要な問題です。
いずれにせよ、国民に対し、説明責任があります。
長らく、国民の富を犠牲にしてまで続けるゼロ金利政策。
誰のためなのか。何のために続けるのか。
いずれにせよ、この20年の歴史には、政策ミスが隠されています。
明らかに政策ミスがあったのです。気がついていないのでしょうか。
この政策ミスを過去にさかのぼって追求する必要があります。
過去、20年間にさかのぼって、追求すれば、真実が見えてきます。
真実が見えるとともに、処方箋も見え、
同じような過ちを犯さないための予防策も見えます。
これらを十分に検証する必要があります。
この検証が不十分であれば、
今後、景気が回復しても、また同じ失敗を犯すことになります。